春日大社を訪れたら、御本殿だけでなく、朱塗りの社殿、約3,000基の燈籠、神の使いとされる鹿、藤の花、萬葉植物園、国宝殿などにも注目してみましょう。
春日大社の魅力は、歴史的な建物だけではありません。御蓋山や春日山原始林の豊かな自然と、長い年月をかけて受け継がれてきた信仰・文化が一体となった景観も大きな特徴です。春日大社では境内に約3,000基の燈籠があると案内されています。
🔹燈籠

初めて参拝する場合は、社殿だけを見て帰るのではなく、参道から境内全体をゆっくり歩きながら、それぞれの見どころを楽しむのがおすすめです。
3.1 春日大社の境内・本殿|朱塗りの社殿と燈籠に注目
春日大社の大きな見どころの一つが、鮮やかな朱色が印象的な社殿です。
境内に入ると、豊かな森林の中に朱塗りの社殿が現れ、石燈籠や釣燈籠が参道や回廊などに並んでいます。
春日大社ならではの「朱色・緑・燈籠」が織りなす景観は、奈良の歴史的な神社を訪れたことを実感できるポイントです。
🔸御本殿は四つの社殿が並ぶ
春日大社の御本殿には、前章で紹介した四柱の神様がそれぞれ祀られています。
・第一殿:武甕槌命
・第二殿:経津主命
・第三殿:天児屋根命
・第四殿:比売神
四つの本殿が横に並ぶ形式は、春日大社の特徴の一つです。
通常の参拝では御本殿を囲む回廊の外側から参拝しますが、御本殿特別参拝では回廊内に入り、中門前や御蓋山浮雲峰遥拝所などで参拝できるほか、藤浪之屋も拝観できます。現在の公式案内では、特別参拝の受付時間は9:00~16:00、初穂料は700円です。祭典・神事などの都合で受付できない場合もあります。
そのため、春日大社の御本殿をより近くで参拝したい人は、特別参拝を検討するのもよいでしょう。
🔸約3,000基の燈籠は春日大社ならではの見どころ
春日大社を歩いていると、参道や境内のいたるところで石燈籠や釣燈籠を目にします。
春日大社には、石燈籠約2,000基、釣燈籠約1,000基、合計約3,000基の燈籠があると公式に案内されています。平安時代から奉納が始まり、長い年月にわたって人々の願いとともに受け継がれてきました。
特に御本殿の回廊に吊るされた釣燈籠は、春日大社を象徴する景観の一つです。
節分やお盆の時期には「万燈籠」が行われ、多くの燈籠に明かりが灯されます。普段とは異なる幻想的な雰囲気になりますが、開催日や参拝方法は年度によって変わる可能性があるため、訪問前に公式情報を確認しましょう。
3.2 春日大社と鹿|なぜ鹿が神の使いなの?
奈良を訪れると、奈良公園周辺で鹿を見かける機会が多くあります。
春日大社と鹿には、長い歴史の中で培われてきた深い関係があります。
春日大社の公式説明では、奈良時代に神様が常陸国から御蓋山へお越しになった際、白鹿に乗って来られたという伝承があり、それ以来、鹿は神様のお供・神の使いとして大切にされてきたとされています。
そのため、春日大社を訪れた際に鹿を見かけることは、奈良らしい観光風景であるだけでなく、春日大社の信仰を象徴する景観としても見ることができます。
🔸春日大社の鹿と奈良公園の鹿
春日大社の境内やその周辺は、奈良公園の鹿と出会えるエリアでもあります。
ただし、「春日大社の鹿」と「奈良公園の鹿」が別々に飼育されているという意味ではありません。
奈良公園周辺で暮らす鹿は野生動物であり、国の天然記念物「奈良の鹿」に指定されています。春日大社では、現在も奈良公園を中心とした地域に約1,300頭の鹿が生活していると説明しています。
🔸鹿を見るときはルールを守ろう
鹿は人に慣れているように見えることがありますが、あくまでも野生動物です。
鹿を見るときは、
・急に触ろうとしない
・追いかけない
・驚かせない
・食べ物を与える場合は、鹿せんべいなど適切なものにする
・周囲の参拝者や観光客の迷惑にならないようにする
など、鹿と人の双方に配慮することが大切です。
また、春日大社は「祈りの地」であるため、写真撮影についても神事や参拝者の妨げにならないよう配慮が求められています。境内では、神事や参拝者の妨げにならないよう、撮影時は公式の注意事項を確認し、周囲に配慮しましょう。
3.3 春日大社の藤の花・萬葉植物園|季節を感じる見どころ
春日大社は、歴史的な社殿や鹿だけでなく、藤の花をはじめとする四季の植物も楽しめる場所です。
特に春の時期に注目したいのが、御本社の「砂ずりの藤」と、境内にある萬葉植物園の「藤の園」です。
🔸春日大社の「砂ずりの藤」とは?
春日大社の御本社には、「砂ずりの藤」と呼ばれる名木があります。
春日大社によると、慶賀門を入ったところにある棚造りの藤で、5月初旬頃になると花房が1m以上に伸び、砂にすれるほどになることから「砂ずりの藤」と呼ばれています。古い藤として知られ、樹齢700年以上ともいわれています。
また、春日大社の社紋には「下り藤」が用いられています。藤は境内に古くから自生し、藤原氏とのゆかりもあることから、春日大社を象徴する植物の一つとなっています。
そのため、春日大社を春に訪れるなら、社殿だけでなく藤にも注目してみるとよいでしょう。
🔸藤の見頃はいつ?
春日大社の公式情報によると、藤の開花は例年4月中旬頃から始まり、見頃は4月下旬~5月初旬頃が目安です。
ただし、早咲きから遅咲きまで品種があり、すべての藤が一斉に開花するわけではありません。また、その年の気候によって開花時期は変わります。大型連休の頃に満開になることが多いと案内されています。
藤を目的に訪れる場合は、旅行日を固定する前に、春日大社公式サイトの最新の開花情報を確認するのがおすすめです。
🔸萬葉植物園の「藤の園」も必見
藤の花をじっくり楽しみたい人には、春日大社の萬葉植物園もおすすめです。
園内には「藤の園」があり、公式情報では20品種・約200本の藤が植えられています。一般的な藤棚とは異なる「立ち木造」の形式も特徴で、さまざまな品種の藤を観賞できます。
藤の時期以外にも、萬葉植物園では四季折々の植物を楽しめます。例えば2026年には、春の桜や菜の花、初夏のカキツバタなどの開花情報が公式サイトで紹介されています。
春日大社の歴史や文化だけでなく、自然も楽しみたい人には立ち寄る価値のある場所といえるでしょう。
3.4 春日大社国宝殿|貴重な文化財を見学できる施設
春日大社の歴史や文化をさらに深く知りたい人には、春日大社国宝殿もおすすめです。
国宝殿は、春日大社が所有する文化財を収蔵・展示する美術館です。
公式情報によると、春日大社は国宝354点、重要文化財2,528点を所有しており、国宝殿では平安時代の美術工芸品や甲冑、刀剣など、春日大社に伝わる貴重な文化財が展示されています。
🔸国宝殿で注目したい「鼉太鼓」
国宝殿の見どころの一つが、鼉太鼓(だだいこ)です。
館内の鼉太鼓ホールには、高さ6.5mにもなる日本最大級の鼉太鼓が展示されています。春日若宮おん祭などの祭礼文化を知るうえでも興味深い展示です。
また、国宝殿では常設的に同じ展示だけを見せるのではなく、特別展などに合わせて展示内容が変わります。
そのため、訪問前に開催中の展示内容を確認しておくと、より楽しみやすくなります。
🔸春日大社の見どころを効率よく楽しむポイント
春日大社を初めて訪れる場合は、次のように目的を決めておくと境内を楽しみやすくなります。
| 目的 | 注目したい場所 |
| 春日大社らしい社殿を見たい | 御本殿・朱塗りの社殿 |
| 歴史や信仰を感じたい | 御本殿・燈籠・参道 |
| 鹿を見たい | 春日大社周辺・奈良公園 |
| 藤を見たい | 砂ずりの藤・萬葉植物園 |
| 四季の植物を楽しみたい | 萬葉植物園 |
| 文化財を見たい | 春日大社国宝殿 |
| より深く参拝したい | 御本殿特別参拝 |
特に、「春日大社を参拝するだけ」なのか、「春日大社の歴史・文化まで知りたい」のかによって、必要な時間も変わります。
御本殿の参拝に加えて萬葉植物園や国宝殿まで訪れる場合は、時間に余裕を持った計画がおすすめです。
🔸春日大社の見どころまとめ
春日大社の見どころは、朱塗りの社殿や御本殿だけではありません。
約3,000基の燈籠、神の使いとされる鹿、春を彩る藤、四季の植物、貴重な文化財など、さまざまな角度から春日大社を楽しめます。
特に春に訪れるなら「砂ずりの藤」や萬葉植物園、歴史や文化に興味があるなら国宝殿にも注目してみましょう。
また、春日大社は「祈りの場」でもあるため、写真撮影や鹿とのふれあいでは、観光だけでなく参拝者や神社への配慮を忘れないことが大切です。